Docker Container として LaTeX の執筆環境を作る

0. はじめに

現在,Ubuntu 20.04 上に TeXLive をインストールして LaTeX の文書を作成している.今後,仕事等で使うマシンが Windows になる可能性がある.そこで,OS に依らずに使える執筆環境として Docker Container を用いるものを作成した.

過去に同様の環境を作ってくれていた方の Docker image やブログを参考に作成した.作成したものは,GitHub の Public リポジトリ (SeeKT/Docker_latex) にアップロードしている.

目次

1. 採用しているコンパイルのルール

  • 日本語文書
    • platex + dvipdfmx (latexmk として記述)
    • pbibtex
  • 英語文書
    • pdflatex
    • bibtex
  • スライド (beamer)
    • xelatex
    • bibtex or pbibtex

2. 概要

Aruneno 様の aruneko/texlive を使って,Docker Container として TeX の執筆環境を作成した.また,Futa HIRAKOBA 様の 爆速で日本語LaTeX執筆環境を用意する を参考にして,VSCode の LaTeX Workshop を用いたコンパイルの効率化をしている.この2つのサイトにはとてもお世話になった.とても感謝している.

3. ディレクトリ構成

SeeKT/Docker_latex はこのようなディレクトリ構成をとっている.

|- .devcontainer/
|   |- .latexmkrc: latexmk の設定ファイル
|   |- devcontainer.json: VSCode の Remote Container 機能を使うときの設定
|   |- docker-compose.yml: コンテナの起動に対する処理
|   |- dockerfile: コンテナを作るための処理
|
|- .vscode/
|   |- setting.json: LaTeX Workshop の設定

.vscode/setting.json でコンパイル方法を指示することで,コンパイルの効率化を図っている.

4. 使用方法

VSCode の Remote Development を用いて,コンテナ内に入る.そして,TeX ソースを開く.

日本語文書のコンパイルには,platex (latexmk) を使う.LaTeX Workshop の Recipe: pLatex をクリックし,View LaTeX PDF をクリックすると,右側に PDF ファイルが開かれる.

fig1
日本語文書のコンパイル

英語文書のコンパイルには,pdflatex を使う.LaTeX Workshop の Recipe: pdflatex をクリックし,View LaTeX PDF をクリックすると,右側に PDF ファイルが開かれる.

fig1
英語文書のコンパイル

英語文書のコンパイルには,xelatex を使う.LaTeX Workshop の Recipe: xelatex をクリックし,View LaTeX PDF をクリックすると,右側に PDF ファイルが開かれる.

fig1
スライドのコンパイル

.vscode/setting.json を工夫すれば,一部の文書に対しては pdflatex みたいに設定できるらしいが,やり方がよく分からなかったので,今回はやらなかった.

5. まとめ

何故か上手くいかなくて悩んでいたが,TeX 本体をインストールするときを思い出したらなんとかいけた.時間かかったけど.

Docker Container としてプログラム (R, Python) の開発環境を作成した 資料 もあるので,一応リンクを貼っておく.

Ai Tachibana (Kosuke Toda)
Ai Tachibana (Kosuke Toda)
master’s student

修士2年です.興味があることを少しだけ触ってます.飽きっぽいです.

関連項目