書籍を読みながらMetasploitを使ってみて詰まったところ
0. はじめに
最近,ハッキング・ラボのつくりかたという本を読んでいる.ツイートされていた方もいらっしゃったが,書籍第4章のWindowsに紹介されているmeterpreterのプロンプトでrun hashdump
やrun scraper
が実行できない.
Meterpreterがスクリプトの実行をサポートしなくなったことが原因の1つだと考えたので,何とか書籍のコードを実行できないか試してみたいと思った.
今回は,書籍の環境に合わせることで実行した.もっと良い方法があるはずだが,知識のない私にはこれが限界だった.
1. 環境について
1.1. これまで用いていた環境
私がこれまで使っていた環境を記載する.Virtualbox上で仮想マシンを動かしている.
- ホストOS
- Windows11
- IP address (ホストオンリーネットワーク): 10.0.0.1
- Windows11
- ゲストOS
- Kali Linux 2021.2
- LANアダプター1 (ホストオンリーネットワーク): 10.0.0.2
- LANアダプター2 (NAT): DHCP
- metasploit v6.0.52-dev
- Windows7 (ターゲット端末)
- LANアダプター1 (ホストオンリーネットワーク): DHCP
- Kali Linux 2021.2
1.2. 書籍の環境と今回比較のために用いる環境
書籍では,Kali Linux 2018.2を用いている.
- 書籍の環境
- Kali Linux 2018.2
- LANアダプター1 (ホストオンリーネットワーク): 10.0.0.2
- LANアダプター2 (NAT): DHCP
- metasploit v4.16.65-dev (書籍pp.240より)
- Kali Linux 2018.2
今回は,1.1で作った環境を壊したくなかったので,Virtualbox上に新しく特定のバージョンのKali linuxをisoファイルからインストールして,それを用いる.
- 今回作った環境
- Kali Linux 2018.2
- LANアダプター1 (ホストオンリーネットワーク): 10.0.0.3
- metasploit v4.16.48-dev
- Kali Linux 2018.2
ここで,Kali Linux 2018.2に関しては,インターネットに接続せず,Windows7との通信のためだけに用いることにする.
apt update
やapt upgrade
を行うとmetasploitのバージョンが更新される可能性がある.apt update
やapt upgrade
をしようとしたときにエラーが出た.何とか改善したが,metasploitのバージョンまで更新された(1敗).
また,旧バージョンのisoファイルは,以下からダウンロードした.
2. Kali Linux 2018.2での実行
2.1. 環境構築
isoファイルを使って仮想マシンを構築する.途中のDNSサーバを指定するところで,8.8.8.8
を指定するのを忘れない.
うまくいくと,以下のようなデスクトップとして起動できる.
IPアドレスの編集を行う.Virtualbox側でホストオンリーネットワークを指定し,Kali linux側の/etc/network/interfaces
に以下を追加.
allow-hotplug eth0
iface eth0 inet static
address 10.0.0.3
netmask 255.255.255.0
設定後再起動し,うまく割り振られているか,ホストOSにpingが飛ぶか確認した.
2.2. metasploitの起動と確認
次に,msfconsoleでmetasploitを起動し,バージョンを確認する.
v4.16.48-devであることが分かり,書籍よりも前のバージョンであることが分かる.
書籍の処理を実行してみる.まず,ペイロードを作成し,実行した.
次に,SYSTEM権限を奪取して,run hashdump
を実行した.
注意は出たが,止まらずに実行できているようである.期待できそうだったので,run scraper
もやってみる.
実行できた.run persistence
も実行できた.
3. まとめ
書籍の環境に合わせたら一応実行はできた.もっと良い方法があるとは思うが,演習だと思えば…